この間、債務整理の相談で、意外と多いのが「生活費が足りなくてお金を借りたのが借金の始まり」だと書きました。
これを聞いた時に「やっぱりね」と思うか「へぇー?もっと特別な事情がある人が多いのかと思った」と感じるのか?
人それぞれで、今の生活や感じ方によっても違うのでしょうが、借金地獄を経験したかどうか?にもよると思います。
一度でも借金苦におちいった経験をしていたら、「そんなにお金を借りた感覚が無くても、あっという間に増えてしまう」ということがわかるんですね。
これから書くのは、生活費が足りなくて、カードローンでお金を借りた主婦の方がどうなったか?です。(スマホを使って)
「最初は、今月のお給料が少なかったから、止む無くカードローンで借りたけど、すぐに返せる金額だった」というのですが、旦那さんの勤め先が傾きかけて、お給料が少ない月が続き、返済をしながらも、また新しいところから借りる日々が続いたとのこと。
奥さんもパート勤めをしていたため、「このくらいなら、月々の生活費を切り詰めればなんとかなく」と思っていたのです。
だけど、考えが甘かった。
食品偽装問題で揺れる中、パートで働いていた工場も偽装疑惑が浮上して、あえなく閉鎖されることに。
すぐに他のパートを探している時に、あろうことか、二人目の妊娠がわかったのです。
正直、その時は、嬉しいよりも困ったという気持ちの方が大きく、今思うと「次女に悪いことをしたな」と。
ただ、当時は、借金をどうするか?ということで頭の中がいっぱいだったので、新しい命の誕生を素直に喜べなかったそうです。
そうこうしているうちに、月々の返済額は10万円前後となり、とても主婦が一人で返済できる金額ではなく、自転車操業とはよく言ったもので、10万円の返済額のために、新たな借金までしていたのです。
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旦那さんにもなかなか言い出せずに、借金苦と戦う日々でしたが、子供のためにもこれだはいけないと、ある日意を決して弁護士事務所の戸を叩いたということ。
弁護士事務所では、借金の清算方法として一通りの債務整理の説明を受けましたが、ついに自己破産という言葉が弁護士の口から出てきた時は、奈落の底に突き落とされたような気分になり、自暴自棄になりかけたんですね。
一時は、「生まれてきても不幸になる」と思い、流産するような危険な行動を何度も取ったとか、「親子もろとも居なくなってしまえば・・・」なんていうところまで行ってしまったのです。
それでも、まだ見ぬ我が子のことを考えると、「とにかく生きなければ」と決意を新たにしたと言いますから、結局は子供に助けられたのでしょう。
家に帰って、旦那さんとも冷静に話し合った結果、「僕が気がついてやれなくて悪かった」とまで言ってくれて、「生まれてくる子と長女のためにも、一からやり直そう」と。
一度奈落の底まで落ちてしまうと、気持ちは楽になるもので、その上、ひとりで悩んでいた借金問題も、夫婦で解決できることになったのは大きいですね。
この方の場合、過払い金の返還も多少見込まれたので、結局は自己破産せずに任意整理で手続きをすることになったそうです。
書類作成の最中に、弁護士の先生から「もうクレジツトカードは使えませんから、この場でハサミを入れて使えなくしましょう」と言われた時には、「やっと借金苦から抜け出せる」と安堵したということ。
このように、普通の主婦が数百万円の借金を抱えることが、珍しいことではなくなったんだなー、と思うと、簡単にお金を借りられるのは怖いことでもあるんだと、誰もが認識するべきなのかもしれませんね。