多重債務になると、「少しでも早く借金を返済したい」「こんな生活から早く抜け出したい」と焦る気持ちが先に立ち、判断力が鈍ってしまいます。
自己破産予備軍としても、もっとも気をつけなければならない時期でしょう。
特に用心しなければならないのが、「あと数日で支払日が来るけど払えない。どうしよう?」と言う時。
「多重債務になってるんだから、借金返済日に払えないのは日常茶飯事でしょ。」なんてゆうゆうと構えてられる人は良いのですが、たいていの人は、わかっていても「どうしよう?」と悩むのです。
私の場合は、まだ消費者金融の審査が甘かった頃で、増額も、電話で申し込めば、簡単な審査だけで受かったこともあったので、「ここは貸してくれそう」というところに、片っ端から当たっていました。
返済日前になると、家族に気づかれないよう、外に出て携帯からかけていましたね。
寒い日なんて、どこかのお店に入るとお金もかかるし、他人にも聞かれてしまうので、田んぼの裏の目立たないくぼみを見つけて、寒さに震えながらよく電話したものです。
すぐに返事をくれる場合は良いのですが、たいていは30分以上は待たされるので、一度家に帰って出直すか、そのまま待っていましたが、とても長い時間に感じられたものです。
多重債務生活も長くなると、本当にどこからも相手にされなくなり、「もうここで貸してくれなかったらアウトだ。」と祈るような気持ちで電話をかけたのですが、さすがにそこも断られた時には、最悪のことまで考えてしまいました。
そんな時です。「◯◯金融です。20万円なら貸せますよ。」という電話が携帯にかかってきたのは。
私名義でキャッシングの申し込みをした時に、携帯電話で登録していたので、そこから情報が漏れたのかもしれません。
ただ、その時は、そんなことを考える余裕もなく、「お金を貸してくれるところがある」ということで、少し安心した気持ちになってしまったんですよね。
いつもなら、「怪しいな」とすぐに断るのに、話を聞いてしまいました。
スポンサーリンク
すると、「保証人を立てられるのならうちで貸しますが、立てられないのならいいところを紹介しますよ」と。
「今日から10日間はキャンペーン中で利息が◯◯%になります。ただし、保証金として借入金額の10%を先に振り込んでください。」ということ。
「何のキャンペーン?変じゃない?」と思いながらも、何となく期限を切られたら、すぐに決めなきゃいけない気持ちになってしまったのですが、こういう時こそ落ち着こう、と「一度考えさせてください」と答えて電話を切りました。
借金の返済日は近づいてくるし、それとは別に自営業の支払期限も迫っている時なので、喉から手が出るほどお金が欲しい時期でしたが・・・
会社から帰って来た夫に話をすると、「最近流行りの紹介屋じゃないか?」と言うのです。
「保証金を振り込んでしまうと、そのお金は紹介料としてその金融業者のふところに入り、多分闇金融からお金を借りさせられることになるんだ。」と。
ちょうど、社内で、そんなことが話題になってした時期だったのが幸いし、この典型的な詐欺にひっかかることは無かったのですが・・・
私ひとりの判断では、もしかしたら借りていたのかもと思うと、今でも背筋がゾッとするほど。
多重債務者ほど、悪の魔の手に落ちやすい人たちは居ないと判断されるのか、他にも整理屋、買取屋など、さまざまな方法で騙される人たちが後を絶たないようです。
ただでさえ、借金返済で心身ともにボロボロになっているというのに、ひどい話ですが、もともとは自分で撒いた種ですから。
多重債務者に近づいてくるのは、全て悪徳業者と思ったほうが良いでしょう。