聡子は、居ないはずの夫の気配に、一瞬息が止まるくらいドキッとした。
幸い夫は「忘れ物した。スマホ」と慌てて寝室に入っていったので、わざと忙しいふりをして台所仕事をしていた。
実は、聡子には秘密があった。夫に内緒で借金をしていたのだ。
夫が帰ってきた時、聡子は、借金の請求書を見てため息を付いていたのだった。
彼女の心の闇は深く、その秘密は彼女を苦しめ続けていた。
旦那に内緒で借金ってしたことあります?
すみません、冒頭から小説まがいの文章を書いてしまいました。
だけど、「夫に内緒で借金」というだけで、こんなストーリーの1つや2つは書けそうなくらい大変なことですよね。
ただ、実際問題として、夫に内緒で借金をして、自分のお小遣いやパート収入から返している奥さんって結構多いと思うんですよ。
それも、一昔前は、自分の洋服とか化粧品、食事や旅行などに使うケースが多かったのでしょうが、最近ではほとんどが生活費でしょうね。
子どもが居れば、教育費もばかになりません。
どんなにやり繰りしても、足りなくなって、結局は借りてしまう。
最初は少ない金額だったけれど、利息がふくれあがって、どんどん・・・というケース。
夫に相談できる場合は良いのですが、たとえ自分のものを買うわけではなくても、1度内緒で消費者金融から借りてしまうと、なかなか言い出せないものです。
「あなたのお給料が少ないからよ」と言っているようなものだし、そもそも家計のやりくりをすべて妻に任せているような男性だと、月にいくらくらいかかるか?ということも知らなかったりするのです。
それに、世の中の主婦について「常に夫に対して不満がある」みたいな解釈をされていますが、大部分の主婦は、そうじゃない部分も大きいですよ。
生活費が足りない時、直接言うよりは、少し借りて私が返せばいいんだから、と思って借りるんでしょう。
今は、専業主婦でも、在宅ワークや内職をしている人も多く、ある程度は自分のお金を確保しているものです。
私もそうでしたから。
だけど、その思いがあだになってしまう。
消費者金融からの借り入れは、借り入れる時点で結構勇気の要るものですからね。
だから余計告白できないんですよ。
その上、専業主婦の場合は夫の収入証明書を提出しなければならないところだと、その時点でばれてしまいます。
今は、50万円くらいまでなら夫の収入証明書無しで借りられるところも多いですが。
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生活費が足りなくても夫には言えないから消費者金融で借りる人も
消費者金融などからの借り入れが、世帯収入の1/3までと決められた総量規制が施行された時には、「夫に内緒でお金を借りていたのがバレた」という方も多いのでは?
その上、最近の不況で、「パートを解雇された」とか「勤めていた会社が倒産した」なんていうことも。
パートの求人も今は厳しくなってきていますから、なかなかすぐに他の仕事を見つけることもできません。
もっと悪い場合は、夫の方が失業してしまうことも。
そうなってしまったら、もう腹をくくるしかないですよね。
フルタイムで働きに出るか?夫の仕事が見つかるまでは、とにかく貯金を切り崩して、なんとか生活していくしか無いのです。
借金の金額がふくらみ、すでに自分のお給料では返せなくなってきたら?
もう、その時点で、債務整理を考えるしかないのかな?
債務整理も夫に内緒でできないことは無いのですが、こうなったらもうすべてを正直に話し、「運命共同体」として、一緒に頑張るしかないと思いますよ。
債務整理して、少しでも借金が減額されれば、またイチからスタートすれば良いのです。
少しくらいの隠し事なら誰でもあるでしょうが、お金に関する隠し事は無しにしたいですね。