多重債務になってしまったら、とよく言いますが、本人は意外と気が付いていないものなのです。
借りては返すの繰り返し。
借りても返す当てなどないんでしょ、と思われますが、借りた時は当たり前ですが、ちゃんと返すつもりで借りるんですね。
サラリーマンの方だと、お給料が決まっていますから、これ以上は返せないなというのがはっきりしますが、自営業だと、頑張って業績を伸ばせば何とかなると思ってしまうんです。
まあ、考えてみれば、業績が悪いから借りるんですけど、過去の栄光にすがるというのかな?
サラリーマンで月収100万という方はなかなか居ないでしょうが、自営なら、少し業績が良ければ月商100万円にはなります。
なので、ついつい業績の良かった頃に、頑張れば近づけるのではないか?と思ってしまうわけです。
それも、失敗したところを自分自身で冷静に分析し、どこを改善すれば良くなるのか?がわかった上での頑張りなら良いのですが、どうしても支払いに追われてしまうと、ただがむしゃらに仕事を取りに行くということになってしまいます。
商売に焦りは禁物ですから、余計に顧客を逃してしまう、という悪循環に。
しかも、時代は確実に不況という波に飲み込まれていますから、今まで通りの頑張りではどうにもならないんですよね。
サラリーマンの方でも副業を持てば、なんとか返せるのではないか?と思うかもしれません。
今はネットで副業をしている方も多いですが、普通に昼間働いて、夜だけでお給料と同じだけ稼いでいる方も、実際にいらっしゃいます。
そんな情報とかを見たりすると、収入さえ増えれば簡単に返せると信じてしまうのです。
もう1ヶ所仕事を増やせば、合計いくらになるとか。
「取らぬ狸の皮算用」とでも言いましょうか・・・
だけど、自分で「まだ大丈夫」と言い聞かせるかのように、何となく「返せる」と思ってしまう。
数十万円の借金で「もうダメだ」と思って、容易に自己破産を考える人も居る中で、「頑張ろう」とすることは決して悪いことではないのです。
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それでも、やはり「債務整理」を考えるひとつの目安が、「借金を返すために借金をするようになったら・・・」ということでしょうね。
だんだん、いろいろなお金に手を付けるようになりますから。
お子さんがいらっしゃるご家庭では、お子さんのために貯めた学資保険とか。
子どもが生まれた時に入った学資保険って、小学生になっていれば、すでに10年以上も払い続けているんですよね。
「子どもが教育を受けられないと困るから、将来のために」とコツコツ払い続けてきた尊いお金。
そんな大事なものですら、切羽詰まって解約したりします。
「まだ小学生だから、そのうち家計に余裕ができたらまた加入すればいい」と思うでしょうが、途中からだと掛け金も大きくなって、結局進学する時に慌てることになるのです。
教育ローンも組めれば良いですが、大学進学の場合、全額ローンだと厳しいですから。
かといって、奨学金を借りられても、子どもが苦労して返すことになってしまいます。
奨学金が返せなくて自己破産に追い込まれる若者が問題になっていますよね。
「将来の不安を無くすために奨学金で教育を受けたのに、その奨学金のために生活自体が脅かされる」というのは、仕組みとしてどうなんだろうか?と。
いえ、教育ローンや奨学金は上手く利用すればありがたいシステムなのですが、せっかく積み立ててきた学資保険を使ってしまうと、そこに頼るしか無くなる、というのが問題なんですよ。
それに、借りた分全額返すのではなく、家の経済状況、成績や出席日数などを考慮して、一部免除されるような仕組みにならないのだろうか?とか。
とにかく、学資ローンに手を付けるようになったら、お子さんの将来のためにも、債務整理を決断すべきなのではないでしょうか?