オンラインカジノ依存が急増中：家族も巻き込む深刻な問題
最近、オンラインカジノへの依存が急速に広がっています。公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」によると、オンラインカジノに関する相談は過去5年で約11倍に増加しました。この背景には、新型コロナウイルスの影響で生活環境が変化したことがあります。特に、家族がオンラインカジノを利用していると答えた人が増え、その影響は家庭だけでなく社会全体に広がっています。
依存症が引き起こす犯罪とその危険性
ギャンブル依存症は、本人だけでなく周囲にも深刻な影響を与えます。同会の調査では、依存症の家族が横領や窃盗といった犯罪に関与したケースが全体の3割を占めています。依存症が進むと自己制御が難しくなり、借金を抱えた結果、犯罪行為に手を染めることも少なくありません。
依存症は「意志の弱さ」ではなく、脳の機能障害によるものです。「損を取り返したい」という強い思いが借金を増やし、さらに賭けを繰り返す悪循環に陥ります。この結果、家庭や職場での信頼を失い、孤立する人も多いのです。
家族の対応：借金の肩代わりは禁物
依存症者を支える家族の対応も重要です。借金を肩代わりする家族もいますが、専門家はこれを厳しく否定しています。肩代わりをすると、依存症者が問題と向き合う機会を失い、回復がさらに難しくなるからです。
家族が一人で抱え込まず、専門家や支援団体に相談することが大切です。依存症は専門的な治療が必要な病気であり、家族だけで解決するのは困難です。
オンラインカジノの危険性と違法性
公営ギャンブル（競馬や競輪など）は厳格なルールのもとで運営されていますが、オンラインカジノには透明性がありません。一部では、初回だけ勝たせ、その後は損をさせる仕組みが取られているとも言われています。このような不正操作が可能なため、オンラインカジノで儲けるのはほぼ不可能です。
さらに、日本国内ではオンラインカジノは違法です。違法行為に手を染めて損をするリスクを考えると、オンラインカジノを利用する価値は全くありません。
なぜ依存から抜け出せないのか：心理的な要因
ギャンブル依存症には、人間の心理的な弱点が関係しています。「自分は儲けられる」「損を取り返せる」という考えが強まり、一度の大勝ちが快楽として記憶に残ると、脳内で大量のドーパミンが分泌されます。この快感が他の活動では得られなくなり、ギャンブル以外の生活が色あせて見えるようになります。
結果として、金銭や時間を失うだけでなく、社会的なつながりや人生そのものを失う危険性があります。最悪の場合、依存症から抜け出すのは極めて困難になり、人生が破綻することもあります。
社会全体で取り組むべき依存症対策
ギャンブル依存症を解決するには、個人や家族だけでなく、社会全体での取り組みが必要です。「ギャンブル依存症問題を考える会」は、違法なオンラインカジノの取り締まり強化を求めています。また、依存症に関する正しい知識を広めることで、早期発見や予防が可能になります。
さらに、貧困層がギャンブルに引き寄せられる背景には、経済的不安があることも見逃せません。こうした状況を改善するには、経済的支援や教育の充実が不可欠です。
オンラインカジノの依存問題は、家庭や社会全体に影響を及ぼす深刻な課題です。早期の対策と正しい知識の普及が、問題解決の鍵となるでしょう。
