最近、TikTokなどのSNS上で「簡単に稼げる副業」として広告が出され、多くの人が騙されるケースが増えています。その中でも特に目立つのが、「LINE動画のスクリーンショットを取るだけで報酬がもらえる」という副業詐欺です。最初は本当にお金が振り込まれるため、信用してしまいがちですが、次第に高額な支払いを求められ、多額の金銭を失う被害が発生しています。どのような手口で人々が騙されているのか、その実態を詳しく解説します。
「楽して稼げる」甘い言葉で誘い込む手口
この詐欺の入り口は、TikTokやInstagramなどのSNS広告です。「初心者でもOK」「スマホで簡単!」「1日5分で1万円」といったキャッチコピーが並び、特に副業を探している人や、手軽にお金を稼ぎたいと考えている人の目に留まりやすくなっています。
広告をクリックすると、LINEのオープンチャットや個別のLINEアカウントへ誘導され、そこから副業の詳細が説明されます。内容は、「指定されたLINE動画のスクリーンショットを撮るだけ」「簡単な作業をするだけで報酬がもらえる」というもの。最初は1,000円?5,000円程度の報酬が支払われるため、「本当に稼げる仕事なんだ」と信用してしまう人が多いのです。
高額の支払いを求められる「落とし穴」
しかし、報酬を増やそうとすると状況が一変します。「より高額な報酬を得るためには、会員ランクを上げる必要がある」と説明され、数万円から数十万円の「参加費」や「保証金」の支払いを求められます。さらに、「タスク未完了によるペナルティ」や「システム維持費」と称して、追加の支払いを要求されることもあります。
一度支払いを始めると、「ここまで払ったのだから、取り戻したい」という心理が働き、次第にエスカレートしていくケースが多いのが特徴です。そして、最後には「報酬の引き出しにはさらに手数料が必要」などと理由をつけられ、結局1円も手にできないまま終わってしまうのです。
個人情報も危険にさらされる
この詐欺の恐ろしい点は、金銭的な被害だけではありません。登録の際にLINEアカウントや銀行口座情報、場合によっては本人確認書類の提出を求められることがあります。こうした情報は、詐欺グループによって悪用される可能性があり、架空請求や詐欺の片棒を担がされるリスクもあります。
さらに、「LINE動画のスクリーンショットを取る」という作業自体が、違法行為に関与している可能性もあります。悪意のあるグループが、特定の情報を拡散させるために利用している場合も考えられるのです。
「怪しい」と思ったらすぐに撤退を!
こうした副業詐欺に巻き込まれないためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、「簡単に稼げる」「誰でも高収入」といった甘い言葉には警戒が必要です。特に、登録前に具体的な仕事内容が不明確だったり、最初にお金を要求されたりする場合は要注意。また、「報酬の引き出しには追加の支払いが必要」と言われた時点で詐欺を疑い、すぐに手を引くことが大切です。
また、被害に遭ってしまった場合は、すぐに警察や消費者センターに相談しましょう。詐欺グループは手口を変えながら活動を続けているため、少しでも早く情報を共有することで、新たな被害を防ぐことができます。
SNS広告の副業には細心の注意を!
SNS広告で見かける副業の中には、合法的なものも存在しますが、多くは「楽して稼げる」と謳った詐欺が紛れ込んでいます。「本当に安全な副業なのか?」を見極める力が求められています。
特に、「LINE動画のスクリーンショットを取るだけ」というような、一見簡単で魅力的に見える仕事ほど警戒が必要です。「少額でも実際に報酬がもらえたから安心」と思ってしまうのではなく、長期的に見てリスクがないかどうかを慎重に判断しましょう。
今や、SNSを通じた副業詐欺はどんどん巧妙化しています。「こんなに簡単に稼げるはずがない」と常に疑うことが、詐欺被害を防ぐための最も効果的な方法です。