『宝くじに当たったら』は、実際に当選した人の気持がリアルに書かれている

宝くじ高額当選

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1億円当たったら何に使おうかな?というのは、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

 

特に、借金を抱えている人にとっては、唯一の「一括返済」ができる方法、と言えなくもないですから。

 

まあ、借金返済なんて、あまりにも現実的な内容ではなく、「1億円当たったら何に使おう?何を買おう?」と思いを巡らせているだけでも、幸せな気分になりますよね。

 

宝くじに当たったら、爆買したい!

それは高級マンションの間取り図を見て、「この部屋は誰が使うのだろう?」「ここに住んだらどんな家具を入れようか?」と妄想しているのと同じです。

 

実際には実現しないだろうと思いながら空想しているのです。

 

だからこそ、妄想は無限というか無責任に膨らみ、考えているだけで嬉しくなる、というわけ。

たいていの人はそれだけで十分満足できるのかもしれません。

 

だって「夢」を買っているのだから。

 

それにしても、「実際に宝くじに高額当選した人って、どんな生活をしているの?どのように生活が変わるのだろう?」という単純な興味はあります。

 

で、安藤祐介さんの『宝くじが当たったら』という本を読んでみたんですよ。

 

平凡な32歳のサラリーマンがいきなり2億円を手にしたらどうなるでしょう?

 

というテーマの本なのですが、主人公新堂修一の本音がリアルに描かれていて、思わず引きこまれてしまいました。

 

この主人公は一等2億円の当たりくじを手にしてしまったのですが、本人は意外と冷静でした。

実際に2億円を換金してからも、嬉しかったわけでも、高揚感があったわけでも無い、というのです。

 

私が想像していた高額当選者てとは、違いすぎる!

 

普通は、「バンザーーーイ!」と叫びながら、意味もなく飛んでしまい、家の天井に頭をぶつけたりするものじゃないの?

 

と思ったのですが、「戸惑ってしまった」気持ちもわからなくも無いかな?

 

"手にした途端、年収400万円の彼は、2億円の使い道が思いつかず、戸惑っていた。
仕事も辞めたくないし、家も車も買いたくない。
投資して増やしたくない。
親友に100万円を貸したことがあったが、二人とも行方不明になってしまい、この2億円でまた何かを失うのではないかと恐れていた。"

 

「お金が欲しい!」と常々思っていても、いざ大金を手にしてしまうと怖くなってしまい、どうしたらいいのかわからなくなるのかもしれません。

だから当選したことを誰にも言わず、仕事初めを迎え、また黙々と仕事をするだけ、と思っていたんです。

 

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だけど、この大きな秘密を自分だけで抱えていくのも苦しくなったので、信頼する家族に話したのですが・・・

 

それで、彼の人生は目まぐるしく変わり始めたんですね。

なぜか、またたく間に2億円を当てたという事実が広まり、突然親戚が現れる、支援団体を名乗る団体から寄付を募る電話がかかってきたり、2ちゃんねるに自分のページが登場したり。

 

そしてなぜか、会社の社長に怒られたり。

いつも通りの生活を送ろうとするが、周りがそうさせてくれない。

 

人のために何かをするほど、そして周りに人が集まれば集まるほど、彼は疑心暗鬼になっていきます。

 

友達に裏切られたりもする中、本当に「おめでとう」と思ってくれる人がはたして世の中にいるのか?とまで追い詰められますが、後半は少しづつ良いこともあってホッとしました。

 

人の本性が見えたことで、何があっても変わらないものがある安心感を実感し、ようやく大切なものを手に入れることができたのです。

 

結局、「大金」というモンスターに振り回されているうちは、人生は狂い続け、人の本質に目を移すことができるようになって初めて、幸せになれるということ。

 

あまり何も考えずに、「宝くじに当たったら、もっと良い生活ができるのに」なんて思っていてはいけない、ということですね。