多重債務に苦しんでいた時期からようやく抜けだして債務整理を決心した時というのは、不安な反面一番ホッとする時でもあります。
まず、取り立ての電話に怯えることが無くなるというのがあります。
今は、正規の金融業者から借り入れをしている場合、強引な取り立てというのはほとんどないと思います。
消費者金融でも、だいたいの場合は事務的な感じのソフトな言い回しで電話がかかってきます。
ただ、滞納が続くと、言葉は丁寧でもある程度押しの強い感じの対応をされるのです。
まあ、支払わない方が悪いので仕方のないことなのですが、何回か続くと、電話の音にも怯えるようになります。
そのうち、幻覚みたいに、電話が鳴ってないのに聞こえることまで。
こうなると、もう精神的にかなり参っているということですね。
そんな取り立てから解放されたことや、とにかく今までひとりで悩んでいた借金のことを相談できる相手ができたこと、手続きを代行してくれることで、大きな荷物が軽くなった気がするのです。
と同時に借金を返せなかった後ろめたさとやるせなさがあったのも、まぎれもない事実ですが。
それでも、前に進まないことにはそこで立ち止まってしまいます。
そのための第一歩だと思えば、たいていのことは乗り越えられそうですよね。
乗り越えると言えば、債務整理をしたことで制限されることもいくつかあります。
一般に知られているのは、クレジットカードが持てなかったりローンが組めなかったりすること。
それだって、一生持てなくなるわけではないのです。
いわゆる「喪明け後」債務整理をして5年から10年経てば、また持てるようになるのです。
当事者にならないとあまり考えないことのひとつに「債務整理をすると引っ越しもできなくなるの?」ということ。
厳密に言うと債務整理中ということですね。
例えば、任意整理の手続き中でも引っ越しはできるのか?といえば、答えはYesです。
あとは、個人再生の場合も同じこと。
では、自己破産は?となると、同時廃止の場合はOKで、何ら問題なしということ。
問題になるのは、自己破産で管財人が付いた場合。
ある程度価値のある財産を持っている場合や、自営業などの場合は、これに当たるのですが、その場合「裁判所の許可無く引っ越しはできない」事になっています。
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「じゃあ、破産して家を売ったら、家も無くなるのに引っ越しもできないの?」
「野宿、いや、ホームレスになってしまうの?」
と思ってしまいますが、ご安心を。
裁判所の許可があれば引っ越し可能なのですから、許可をもらえば良いのです。
任意売却などで家を失って引っ越しするなど、きちんとした理由があって引っ越す場合は許可が出ないことはほぼ無いので、実質引っ越しは自由と言えるでしょう。
と、ホッとしたのも束の間。
ここで、「自己破産しても賃貸物件って借りられるの?」という疑問も生まれてくるのですが・・・
こうやって、ひとつひとつ乗り越えていくしかないんですよね。