老後破産する人が増えている
年をとってから自己破産する人も増えています。
いわゆる「老後破産」と呼ばれるものですね。
昨今では60歳以上の生活保護者が急増しているという話からもわかるように、自己破産を選ばざるを得ない人たちもたくさんいるのではないでしょうか。
誰しも、自己破産したら、個人信用情報から名前が消えるまで、普通の金融業者からお金を借りることができないというのはよくわかっているのです。
ただ、年をとればとるほど冠婚葬祭費用とかお付き合いの費用も増えてくるもので。
例えば孫が生まれたとかお友達が亡くなったということも考えられます。
そんな時にどこからもお金が借りられないというのはとても困りますよね。
もっと困るのが生活していく上で必要なクーラーなどの家電が壊れてしまったときです。
猛暑時のクーラーが壊れることぐらい生命に危険を及ぼすことはありません。
お金に困った高齢者を狙う闇金業者
そんなお金に困った高齢者を、虎視眈々と狙っている悪徳業者が。
今はオレオレ詐欺に限らず高齢者を狙った犯罪が増えているのは確かです。
高齢者の年金を狙ったヤミ金の手口も同じようなものです。
よく電柱とか民家の壁に貼られている「年金を担保にお金借りられます」という広告は信用ならない、といっても良いでしょう。
車乗ったまま融資とか、車に乗ったままお金借りられますという広告と似ていますね。
お年寄りの立場からしてみたら、保証人なしでお金が借りられるというのは魅力的なものです。
書いてある電話番号に電話をすると、お年寄りのお金をむしり取ろうとしている人たちですから、最初は優しく対応してくれるということです。
貸付金に関しても、いかにも低金利で借りられるようなことを言ってくるのです。
年金証書と通帳を渡したらお終いですよ
ただその言葉に導かれるように、通帳と年金手帳や印鑑などを持参してお金を借りに行ってしまったらもうそこで終わりと思ってよいでしょう。
そこはヤミ金ですからあの手この手で、持っている全てのお金をふんだくろうとしてきます。
こちらとしては年金すべてをとられることはないと思っていますが、相手は年金から汗水たらして作った貯金まで、残らず取ろうと思って近づいてきていますから。
クモの巣にかかったように、もう身動きできなくなってしまうのです。
お金を借り始めると、手数料と称して高額な金利を要求してきます。
最初の低金利の約束とは裏腹に、トイチ(10日で1割)と言われる金利で貸し出すこともよくあります。
そのうち年金が振り込まれたら、直ぐにそのまま引き出されてしまうなんて言うこともあるようです。
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その後はいくら最初に借りた分の金額を返そうとしても、のらりくらりかわされて、振り込みさえさせてもらえず、ずっと借りたまま。
そのうち金利はどんどんかさんで、お金は全く返済のめどもつかないようになってしまいます。
まさに返しても返しても、返済が終わらない地獄に陥ってしまうのです。
では年金生活者で自己破産したような方がお金を借りる方法は無いのでしょうか?
あまり知られてないのですが、独立行政法人福祉医療機構という機関があるのです。
年金を担保に低金利でお金を貸してくれて、貸してくれる金額は10万円から250万円でとなっています。
※共済年金や恩給の場合は、日本政策金融公庫(JFC)になります。
もちろん、借りられる条件などもあるので、「年金を担保にお金を借りるしかない」ということになったら、一度相談してみても良いかもしれませんね。
年金担保貸付制度なら信用できる?
追記:厚生省のホームページに、年金担保貸付制度について詳しく説明されていました。
ただ、冒頭にも「年金担保ローンをご利用の場合、返済が完了するまで年金の一部を受け取ることができません。
お借りになる前に、その必要性や、返済期間中の生活に支障がないかなどをよくご検討ください。」
と書かれているように、”老後の生活は年を取れば取るほどお金がかかるようになっている”ことなども加味しながら、慎重に答えを出してくださいね。
もちろん、民間でお金を借りることを考えれば、公的機関で借りるほうが良いに決まっていますが。
年金担保貸付制度を利用できる人は?
「本サービスは、以下の年金証書をお持ちで、現在、年金の支払いを受けている方がご利用いただけます。
対象となる年金の種類は以下の通りです。
●老齢年金、老齢基礎年金、障害年金、遺族年金
・国民年金・厚生年金保険年金証書
・国民年金証書
・厚生年金保険証書
また、老齢厚生年金、特別障害者給付金は対象外です。
船員保険年金証書(2010年1月以降の事故により船員保険から支給される障害年金・遺族年金は対象外となります。
独立行政法人福祉医療機構での審査があります。
以下のような場合は、ローンをご利用いただけません。
●2014年12月1日以降に融資を申し込んだ方で、任意の繰上返済を行い、融資決定時に予定していた完済日に達していない場合。
●借り手が生活保護を受けている場合
●貸付金の使途が、投機性の高いもの(賭博等)、公序良俗に反するもの、その他明らかに借主の利益に反するものである場合
●申込者の年金が全面的に停止された場合
●同一の年金での借入残高がある場合
●現況報告書または定期報告書が提出されていない場合、または提出が遅れている場合」
というように、細かな条件が書かれていますが、現在生活保護を受けていなくて、今まで一度も年金融資を申し込んでいない場合には、審査基準に達していれば、お金を貸してもらえるはずです。
将来の年金額が少なくなる不安は高いけど、「とりあえず、どこかからお金を借りるか?」という選択肢よりは良いでしょう。
闇金業者のえじきにならないためにも。