自己破産すると
自己破産をすると、もう一生そのことを引きずって生きていかなくてはならない。
自己破産しては終わりだ。
なんてよく言われますし、自分自身もそう感じていました。
自己破産だけでなく債務整理全般に言えることですよね。
「借金を約束通りに返せなかった」という点では同じなのですから。
では、本当に終わりでしょうか?
誤解されては困るので書いておきますが、債務整理をしないでどんなに困難であっても、「借りたお金は返す」ということが一番良いのです。
当たり前と言ってもよいでしょう。
それは、多分債務整理をされた方もよくわかっていることです。
だから、ほとんどの方は、最後の最後まで「借金を返すため」に無理をするわけです。
どれほどの無理をするかと言えば
◯借金を返すために食べるものも食べないで働き続ける
◯借金の支払いを優先するため、国民健康保険が支払えずに、子どもが熱を出しても、またもっと重症になっても病院には連れていけない
◯借金を返すために、公共料金の支払が怠りがちになるので、電気やガス、水道が止められる
などなど・・・
借金をしていない方にとっては、まさに「自業自得」と思われるかもしれませんが、まさに究極の生活を強いられるわけです。
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それに、借金の原因が自分にあればまだ良いのですが、保証人になったばかりにというような半分他人のせいというケースや100%自分の過失ではない場合も多いのです。
自己破産後の生活は?
借金を支払うために食べるものも食べずに働いて体を壊しても、誰の得にもなりません。
確かに借りたものを返さないのは「悪」だけれど、「もうダメだ」と思ったら、自己破産や他の債務整理の道を考えた方が良いです。
多重債務時代には、私も債務整理と言う選択肢は最後の最後にするものと思っていたので、どんどん状況は悪くなる一方でした。
そんな事なら、もっと早くに決断すれば良かったと今では思います。
債務整理後の生活をズバリ言葉で表すと・・・
「おだやかさ」でしょうか。
落ち着くとかではなく、とにかく「穏やかな日常が戻った」と感じるのです。
それでも、債務整理後の生活は思った以上に厳しいもの。
生活苦はまだまだ続きますし、何より「借金を返せなかった自分」を責めるもうひとりの自分の存在が一番厄介で。
うつ病など精神的な病を抱える方も多いのはうなづけますね。
自己破産後に大切なことは?
自己破産後に特に気をつけることは、やはり心のケアです。
何をやっても楽しくないし、逆に「楽しんでいる自分が許せない」と思ってしまう。
「こんなにみんなに迷惑をかけたのに、普通に暮らしていていいのか?」と自問自答してしまうのです。
完全に自己否定が始まり、「もう自分は価値のない人間だ」と決めつけてしまうようになったりもするんですよね。
自己破産や債務整理をしたことは、決して威張れることではないけど、だからと言って病気になるまで悩んでいては、最初の一歩が踏み出せません。
迷惑をかけた債権者に悪いという気持ちは忘れてはいけないけれど、「お金に対する認識が甘かった自分」だけを責めるようにしないと、いつまで経っても、生活の立て直しは出来ないと思います。
私もまだ途中なのですが、結局は「自分次第」なので、「ゆっくりのんびり」考える時間も必要なのではないでしょうか。
しっかりと前に向かって歩くためには、過去のことは反省しつつもそれにどっぷりとは浸からない、という姿勢が大切なのだと思います。