【借金の正体】誰でも陥る“依存の罠”とは?
借金地獄とはよく言ったもので、本当に蟻地獄のように、一度入ってしまうとなかなか抜け出せないものです。
薬物依存やギャンブル依存と同じように、借金依存症に陥ってしまうためです。
薬物依存やギャンブル依存というと、はまってしまうのはごく一部の限られた人たちだけで、普通に生活している私達には関係がないと思いがちです。
だけど、私の身内にもギャンブル依存症になった人は居ますし、今も昔もごくごく普通に生活していたのです。
それが、ほんの少しのきっかけで依存症にまで陥ってしまうことの怖さ。
薬物だって、今や芸能界だけの問題でもないと聞きます。
学生や普通の主婦にまで魔の手が及び、「痩せるためのサプリメント」などと騙されて手にしたら最後、気がついたらそれこそ地獄のような状況が待っているとか。
何しろ、一度でも体内に入ってしまったら、理性など働かないものなのだそうです。
それは、今までどんなに自分に厳しくてストイックな生活を送っていた人でも同じだということ。
真の恐ろしさは、この辺にあるのでしょうね。
依存は「特別な人の話」じゃなかった
借金依存症はどうでしょう?
一度お金を借りてしまったら、脳内に「楽にお金が手に入る」という気持ちが広がるのは確かです。
よくある例として。
中年になってから事業を起こしたAさん。
長年勤めていた会社で培った技術や営業力を存分に発揮して、すぐに会社を軌道に乗せることが出来ました。
そうなると、もう飛ぶ鳥を落とす勢いで、「自分はなんでもできる」と思ってしまいます。
少し事業を拡張しようと、公的資金を1,000万円以上借り入れ、それでも足りない分を消費者金融から200万円借り入れ。
それだけの借金を抱えるなんて、サラリーマン時代には考えられなかったのに、怖いどころか「こんな金額を返すなんて楽勝」と軽く考えるようになっていました。
なんと、重要な取引先が突然倒産してしまい、自社も倒産の危機に直面。
と同時に、不況で自社の営業成績も下降の一途に。
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「普通の人」が崩れていくリアルな瞬間
だけど、この時点で「お金が無くなった」ということを自覚できないんですよ。
一度でも今までの倍以上の収入を経験してしまうと、「また頑張ればなんとかなる」と考えてしまいます。
そこに持ってきて、消費者金融で借金することも覚えてしまえば、「なんだ、まだお金がこんなにあるじゃないか」と思ったり。
気がついた時には、倒産した会社と多額の借金しか残っていない、ということになるのです。
また、普通の主婦のB子さんの話はこうです。
最初は生活費が少し足りなかったので、クレジットカードのキャッシングで10万円を借り入れ。
その後すぐに返すつもりが、ご主人のボーナスがカットされて支払えず、仕方なく消費者金融から借金をして返すことにしました。
もともと生活費が足りない状態だったのに、ボーナスやお給料はカットされ、借金ばかりがかさんでしまうのです。
それでもご主人にバレることを恐れ、また借金を繰り返す日々で。
ついに借金金額が300万円を超えた頃、やっと債務整理を決心されたということ。
借金は怖くない。怖いのは“慣れ”だ
世間では、借金を重ねるのは弱い人間でだらしのない生活と思われています。
まんざら嘘ではないでしょう。
だけど、誰もが陥ってしまう可能性はある、ということは言えると思います。
幸い借金は、一度してしまったら後戻りできないものではなく、むしろ賢く借金すればうまくいくことだってあるのです。
多重債務にまでなってしまった場合は、まずはその借金体質を治すことから始めないといけませんが。
結局は、お金に対する向き合い方に差が出るということなのですね。