少し前の話ですが、奨学金が返せずに自己破産した男性の話がニュースになりました。
「奨学金で自己破産?」なんてびっくりしたのを覚えていますが、考えてみたら返済義務のある奨学金も借金なんですよね。
例え無利子で借りられたとしても、月約4万円借りていたとしたら、一年で48万円。
大学の4年間では192万円もの借金に膨れ上がっているということ。
家庭が貧しくて、高校時代から借りていたとしたら、300万円近い借金を新卒で会社に入った瞬間から背負うことになるのです。
うーん、これは大変なことですよ。
しかも、今は就職難で、大学で学んだ知識を十分に活かせる職場を探せず、止む無く安い賃金で働かざるをえない、なんていうこともあるのです。
若くても病気になることもあるでしょう。
借りた本人が返せなくなると、おのずと保証人である親や親戚のところに返済義務が生じますから、自己破産さえできない状況になることも。
いや、前途洋々な若者が自己破産しなければならなくなる、というのも、考えてみたらひどい話なんですが・・・
私の親戚の子も、奨学金制度を利用していて、今年から就職したのですが、「なるべく夜勤をシフトに多く入れてもらっている」ということ。
「夜勤はキツイんじゃないの?」と聞くと、「体はきついけど、時間外手当が付くので、それだけお給料が増えるから」と。
「奨学金の返済額が300万くらいあるから、そのくらい働かないと返せないんだよ」と言うんですよね。
しかも、今は大学で学んだことを活かせる仕事には就かないで、収入重視の仕事を選び、10年ほどかけて奨学金を返済した後に、やっと自分のやりたい仕事に就けるかな?なんて言ってました。
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いやー、頭を何かで殴られたような気がしましたね。
何も悪いことをしていないばかりか、「大学に行って勉強したい」がために奨学金を利用しただけなのに、こんな目に遭うなんて。
まあ、この子の場合はとても前向きで、人生設計もできているみたいなのでまだ良いのですが、奨学金という借金を抱えてしまったばかりに、人生が狂ってしまうこともありますから。
このブログでも、ブラックでも子どもには十分な教育を受けさせてあげたいという気持ちがひしひしと伝わってくるような、ご質問をよくいただきます。
だけど、教育ローンが組めなくて悩んでいるのなら、奨学金を利用するという方法がありますよ、なんて書いてきましたが、一概におすすめできるかどうかも疑問に思えてきました。
いや、社会人になったらきっちりと返すんだ、という気持ちが強くて、「それでもどうしても大学に行きたいから利用する」という覚悟ができていればまだ良いのでしょうが・・・
さまざまな理由があって、奨学金が返せなくて自己破産にまで追い込まれている人が居る、という事実を目の当たりにすると、そういった考え方は安易なのかもしれない、と思ってしまいます。
一部で、「返済義務の無い給付型奨学金制度」を推進する動きがあるようですが(一部ではすでに始まっているようです)、もし実現するのなら、特に低所得層の子どもたちを優先して考えてほしいですね。
追記:奨学金滞納したら、本当に信用情報に気づか付くのか、調べてみたので、まとめますね。
“奨学金の返済を滞納すると、信用情報に傷がつくことがあります。
実際に、奨学金を滞納した日から3ヶ月間経った時点で、信用情報に記録されて、悪影響が出てしまうそうですよ。
また、期日通りに返せなかった回数が同じ3回であっても、滞納が3ヶ月継続していなければ、信用情報に影響しないケースもあるようです。
奨学金の滞納で悪化した信用情報は、完済してから5年間にわたり記録が残されます。
ご参考までに、日本学生支援機構では、滞納が1回目であれば大きな問題にはならないそうですが、滞納が3ヶ月連続した際には、個人信用情報機関に個人情報を登録します。
個人信用情報機関に登録される情報としては、氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先などが挙げられ、個人が特定できる内容が登録されます。
奨学金の返済期限を延長することができます。
返還期限猶予制度という制度があり、災害や病気、経済的困窮などの理由により奨学金の返済が厳しくなった場合に申し出ることができます。
日本学生支援機構の審査に通れば、最大で10年間の期限延長が可能です。
また、減額返還を利用すると、毎月の返済額を減額することにより、返済期限を延長することができるということ。
具体的には、月々の返済額を1/2または1/3に減額し、それぞれ2倍、3倍の期間で返済することができます。”
個人的には、奨学金という、「もっと学びたい」とか「お金の問題で学校に行けない」という子どもには、「借金」という形ではなく、もうちょっと優遇して欲しいです。
自分の子ども達の時も、学費でかなり苦労したので、なおさら。
これから、少しづつでも、改善されると良いですね。
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