多重債務から脱出することは決して簡単ではありません。しかし、不可能なことでもありません。大切なのは「一時的にしのぐ」のではなく、根本的に借金地獄から抜け出す覚悟を持つことです。多重債務生活を続けていると、気づかないうちにその状況に慣れてしまい、「借金を返すためにまた借りる」という悪循環に陥ってしまいます。だからこそ、早い段階で「脱出するんだ」という強い意志を持ち、具体的な行動を起こすことが必要なのです。
多重債務から脱出するのが難しい理由
多重債務から脱出するのが難しい理由は、人間が「慣れ」に支配されやすいからです。借金生活は苦しいはずなのに、続けていると次第にその生活スタイルが当たり前のようになってしまいます。特に「消費者金融から借りて、別の消費者金融で返済する」という行動を繰り返すと、借金返済のための借金という悪循環が完全に定着してしまうのです。この思考回路が一度できあがると、自力で抜け出すことはさらに困難になります。
「借金のはしご」を繰り返していた体験談
私自身も、かつて多重債務の渦に巻き込まれた一人です。街に消費者金融の無人契約機が並んでいた時代、私は一つのATMで借りては、別のATMで返済するという「借金のはしご」を繰り返していました。その場しのぎで現金が手元に残るように思えても、実際は高金利の利息に消えていくだけ。気づけば「右から左へお金を流すだけの生活」となり、抜け出すどころかさらに借金を増やしていたのです。
やがて総量規制が導入され、「新規の借入ができません」という現実に直面しました。その瞬間、ようやく自分がどれほど危険な状態に陥っていたのかを実感しました。借りられなくなって初めて「返すだけの生活」に追い込まれ、精神的にも大きなダメージを受けたのです。
多重債務から脱出するために必要なものは?
多重債務から脱出するために必要なのは、「現実から目をそらさず、早めに行動すること」です。借金に追われていると、「宝くじが当たれば…」「仕事が急にうまくいけば…」といった幻想に逃げ込んでしまいがちです。しかし、現実を変えるのは奇跡ではなく、あなた自身の決断です。債務整理などの法的手続きを含め、専門家に相談することで道は必ず開けます。
私の場合も、子供の笑顔が最終的な原動力となり、ようやく本気で多重債務から脱出しようと決心できました。大切な人のため、自分の未来のために、今日から一歩を踏み出すことが何よりも重要なのです。