債務整理、とりわけ自己破産を決断するまでというのは、人それぞれで、もうどの方の例をとってもドラマがひとつ書けてしまうくらいの出来事です。
借金をするということひとつとっても、今やキャッシングすることって普通のこととは言え、実際にお金を借りるという行為をする前というのは、葛藤があるのではないでしょうか?
いや、キャッシングでも、「今お金が無いから借りるけど、来月お給料が出たら必ず返せる」という確信がある場合はまだ良いのです。
キャッシングをして、毎月滞り無く返していたんだけど、急にお給料が減らされたとか、仕事が順調に行かなくなったということもあります。
例え月々2万円づつの借金返済だったとしても、お給料が1万円でも減れば、返済が困難になります。
ましてや、お給料が半分になったとしたら?
そんな自己破産経験談をまとめてみました。
まずは、自営業56歳の男性の場合。
いわゆるまじめな性格で、地道に自分の技ひとつで生きて来ました。
30代で結婚し、子どもも3人授かり、特殊技能があったので仕事はさばききれなくて断るほど来て、順風満帆とはこのこと。
贅沢はできなくても、一家5人の生活は余裕で支えてきました。
クレジットカードは持っていたけど、キャッシングを使うことは無く、ローン支払いもほとんど使わないほど。
車を購入する時にも、「自営業で収入が不安定だから」とコツコツ貯めたお金でローンを組むこと無く現金で購入していました。
だけど・・・
特殊技能であるはずの技術が、時代の流れによって、少しづつ需要が無くなっていったのです。
これは仕方のないことなのかもしれませんが、職人としてのプライドもあり、他の職種に変るなんていうことはできなかったのです。
幸い、奥様も仕事を持っていたので、なんとか家計を支えていましたが、小さな子どもを抱えてのフルタイムの仕事は限界があり、体を壊してしまいました。
ご主人もアルバイトなどで仕事を増やしたのですが、焼け石に水。
今まで借りたことのないキャッシングはありったけのクレジットカードでしてしまうようになり、その支払のために今度は消費者金融から借り入れをする日々。
ここまで来ると、もう後戻りできなくなるんですよ。
そのうち、ご両親の介護も重なって、身動きで無くなり、借金はますます増えることになります。
最後には自己破産をする決心をされました。
「そんなこと、現実にはあまり起きないでしょ?」と思われた方、今は自然災害なども増えていますから、たった1日ですべての財産を失ってしまう可能性もあるのです。
他にもご家族病気や突然勤めていた会社が倒産し、自分自身も負債を抱えることになった会社員の方など。
人生、上手くいかない時には悪いことが重なるものなのです。
だけど、自己破産は終わりではなく始まりであると思えば、少しは気が楽になります。
結局は、その後の生き方にかかっているんですよね。
私が読んだ体験談でも、自己破産した後は少しづつ人生が好転してきたようだ、という方も多かったです。