「簡単に稼げる」の罠――30代女性が136万円を詐欺被害に
SNSで見かけた「簡単に稼げる」という甘い言葉に誘われ、気づけば136万円もの大金を失っていた――秋田県潟上市に住む30代の女性が、相次ぐ詐欺被害に遭いました。警察が警鐘を鳴らす「副業詐欺」の手口とは、一体どのようなものだったのでしょうか?
Instagramの広告がきっかけに
この事件が始まったのは昨年11月。被害女性は、Instagramで副業を探している最中に、ある広告を見つけました。そこには「スクリーンショットを撮って送信するだけで簡単に稼げる」といった魅力的な言葉が並んでいました。特に特別なスキルも不要で、手軽に収入を得られるかのような内容に、女性は興味を引かれました。
広告をクリックした女性は、無料通話アプリ「LINE」で業者とやりとりを開始。その後、相手側から別のメッセージアプリに誘導され、そこで具体的な指示を受けることになりました。
最初の報酬で信頼を深める巧妙な手口
業者の指示に従い、女性はYouTubeの動画のスクリーンショットを撮影し、送信しました。すると、まもなくして女性の口座に報酬が振り込まれたのです。
「本当に稼げるかもしれない」
最初の成功体験が女性の警戒心を解き、相手への信頼を強めました。まさに、詐欺師の狙い通りの展開です。
暗号資産投資への誘導、そして高額な手数料
さらに信用した女性は、業者から「もっと簡単に大きく稼げる方法がある」として暗号資産への投資を勧められました。指定された専用アプリをダウンロードし、操作を開始。すると、「操作ミスがあった」との理由で手数料の支払いを要求されました。
最初に報酬が振り込まれたこともあり、女性は疑うことなく指示に従い、合計97万円を振り込んでしまいました。しかし、その後も報酬の支払いはなく、業者とも連絡が取れなくなりました。
この時点で女性はようやく騙されたことに気付きましたが、すでに大金を失った後でした。
懲りずに別の広告にも手を出し、さらなる被害
さらに、女性は12月にもInstagramで「15分で簡単に稼げる」という副業の広告を目にしました。11月の失敗から学んだはずでしたが、「今回は本物かもしれない」という期待が勝り、再び申し込んでしまいました。
結果、現金39万円を振り込み、またしても騙されることに。最初の被害と合わせて、被害総額は136万円に達しました。
「簡単に稼げる」は要注意!県内でも被害が相次ぐ
秋田臨港警察署によると、SNS上で「簡単に稼げる」とうたう副業詐欺の被害が県内で相次いでいます。特に、初めに少額の報酬を支払い、信頼を得た上で大金を騙し取る手口が増えているとのことです。
「簡単に」「誰でも」「すぐに稼げる」といった甘い言葉には必ず裏があります。SNSやネット上の副業話には慎重に対応し、少しでも怪しいと感じたら家族や友人、警察に相談することが重要です。
簡単にお金を手に入れることは、決して簡単ではありません。あなたも、こうした詐欺に巻き込まれないよう十分に注意してください。