なぜ宝くじ当せん金を受け取られない人がいる?
宝くじで高額当せんを果たすことは、多くの人にとって夢のような出来事です。しかし、驚くべきことに、当せん金を受け取らない人が毎年存在しています。宝くじ公式サイトによると、平成29年度から令和5年度までの間、未換金となった当せん金は毎年約100億円にも上ります。令和5年度だけでも、4億円以上の当せん金が1本、1億円以上が7本、さらに200万円以上の高額時効当せん金が合計で20億円を超えていました。
では、なぜ当せん金を受け取らない人がいるのでしょうか?本記事では、その理由と背景について掘り下げていきます。
宝くじ当せん金はどこで受け取れるのか?
まず、宝くじの当たり券はどこで換金できるのでしょうか。1万円以下の当せん金であれば、全国の宝くじ売り場で簡単に受け取ることができます。10万円以下の場合は、10万円マークのある宝くじ売り場での交換が可能です。ただし、数字選択式宝くじ(ロトやナンバーズなど)の場合は、専用端末のある売り場でしか換金できません。
高額当せん金の場合は、みずほ銀行本支店(一部を除く)での手続きが必要になります。特に1口あたり50万円を超える当せん金については、必ず銀行での交換が必要です。このように、当せん金の額や種類によって換金場所が異なることも、未換金の理由に繋がっている可能性があります。
理由1:交換期限の認識不足
宝くじには換金期限があり、券面に記載されています。支払い開始日から1年以内が期限で、それを過ぎると当せん金を受け取ることができなくなります。例えば、「期限まで余裕があるからそのうち換金しよう」と考えているうちに、うっかり期限を過ぎてしまったケースも少なくありません。
特に高額当せんの場合、みずほ銀行の窓口営業時間に足を運ぶ必要があります。平日に時間を作れない人がスケジュールを調整できず、そのまま期限を迎えてしまうということもあるでしょう。換金期限の確認と早めの対応が重要です。
理由2:高額当せんによるプレッシャー
日本では宝くじの当せん者の名前は公表されませんが、それでも高額当せん者には特有のプレッシャーが伴います。例えば、家族や友人に当せんが知られることで人間関係が変化するのではないかという不安や、個人情報が漏れて犯罪に巻き込まれるリスクを恐れる声もあります。
また、突然大金を手にすることで、生活が一変するのではないかという心理的な負担も考えられます。このようなプレッシャーが原因で、当せん金の受け取りをためらう人もいるのかもしれません。
理由3:税金や手続きへの誤解
国内で販売される宝くじの賞金は、非課税所得です。そのため、どれだけ高額であっても税金が課せられることはありません。しかし、「高額所得だから税金がかかるのでは?」と誤解している人がいる可能性も否定できません。
さらに、職場や団体で購入した宝くじが当せんした場合、当せん金を均等に分配する必要があります。ネット購入であれば手続きは比較的簡単ですが、売り場で購入した場合は購入者全員分の本人確認書類が必要です。こうした手続きの煩雑さが原因で、受け取りを諦めるケースもあるでしょう。
理由4:宝くじ券の紛失や未確認
宝くじ券を紛失したり、当せん番号を確認しないまま保管しているケースも多いようです。当せん金を受け取るには、券の現物が必要です。駅や列車内での忘れ物として宝くじ券が見つかることもあるといいます。さらに、保管場所を忘れたり、誤って捨ててしまったりすることも、未換金の理由として考えられます。
理由5:あたりくじが購入されていない場合も
意外な事実として、売れ残りの宝くじの中に当せん番号が含まれている場合もあります。宝くじは抽せん会の時点で販売終了となり、売れ残り券は全国から回収・整理されます。そのため、販売されなかった券が当せんしていた場合、当然ながら換金されることはありません。
未換金分の当せん金はどこへ?
期限を過ぎた当せん金は「時効当せん金」となりますが、無駄に消えてしまうわけではありません。これらの金額は全額、各都道府県や指定都市に納められ、公共事業や福祉活動、教育施設、防災対策、地域振興などに活用されます。
夢を逃さないために、期限内に手続きを
宝くじに当せんすることは、非常に幸運な出来事です。しかし、さまざまな理由で当せん金を受け取らない人がいることも事実です。せっかくの当せん金を無駄にしないためには、換金期限を守り、早めに手続きを行うことが大切です。高額当せんの場合は、心の準備や周囲への配慮も必要ですが、慎重に対応することでその幸運を最大限に活かすことができるでしょう。