自己破産後に宝くじに当たったら?
「自己破産した後で例えば3億円の宝くじに当選したら、当選金はもらえるの?」という質問を見つけました。
借金のある身だと、どうしても「宝くじに当って借金を返す」ということを、一度や二度は考えてしまうでしょう。
実際に、借金返済のために、食べるものを買うお金を削って宝くじを購入していた、なんていう方も居ますから。
確かに、事業が失敗して、億という数字の借金を背負ってしまった場合など、どんなに一生懸命に頑張っても自力で返するのは困難です。
ならば、一攫千金の夢を!ということで、せっせと宝くじを購入するという気持ちもわかります。
私も、多重債務時代には、お金も無いのに「ここの売り場で高額当選者が出た」と聞けば買いに行き、「この袋にくじを入れて保管するだけで高額当選間違い無し」なんていう怪しげな開運グッズにまで手を出した時期がありますから。
その後、あまりにも当たらないので、今ではほとんど買っていませんが、統計によると、「長年買い続けている人」が高額当選者の中には多いとか。
やっぱり、何事もやるんならとことん続ける、というのが原則なんでしょうね。
宝くじの購入時期によって当選金を受け取れるかどうか決まる
で、「自己破産しても宝くじに当選したら、当選金額は受け取れるのか?」ですが、宝くじの購入時期によって違ってくるのだそうです。
自己破産手続き中でも破産開始決定前に購入した場合、宝くじが高額当選した場合、当選金を受け取る権利は破産財団にあるのです。
1億円当選したら、例え借金総額が1,000万円でもすべて没収されるということなんですね。
“破産開始決定前に宝くじを購入した場合、賞金を受け取る権利は、「破産手続開始前に生じた原因に基づいて破産者がすることができる将来の債権」として破産財団に帰属します(破産法34条2項)。
宝くじ購入の事実を隠蔽することは,免責不許可事由となります(破産法252条1項8号)。
裁判所が事実を看過して免責を認めた場合でも、免責許可決定から1年以内に破産債権者が申立てをすれば、免責は取り消されます(破産法第257条第1項後段)。”
ということ。
それならば、「宝くじの当選日を待ってから自己破産の手続きをすれば、借金を返した後なら当選金はもらえるのに」と思いますが、あらかじめ高額当選するなんてわからないですから。
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多重債務で借金の返済もままならなくなって、トボトボと町をさまよっている時に、たまたま目にした「1等1億円当選者出ました!」という旗に、吸い寄せられるように立ち寄った宝くじ売り場。
そこで、ポケットをさぐって出てきた千円札に望みをかけて、「3枚ください。バラで」と購入した宝くじが、まさかの1等当選するなんて、小説の世界でもなかなか無いですよね。
それが現実に起こったとするなら、奇跡としか言いようがないですが、すべて取り上げられるとは!
身から出た錆とは言え、現実は厳しいのです。
まあ、「隠している財産は何もありません。今持っている資産では到底借金は返せないので自己破産させてください。」とお願いしたのですから、致し方ないのです。
ではどうすれば良いのか?
宝くじはいつ買えばいいの?
きちんと免責が下りた後に、宝くじを購入することです。
自己破産の免責がおりれば、その後に稼いで貯めたお金も、何かのくじで当たった賞金も、もちろん宝くじ当選金もすべて自分のものになるのですから。
“破産開始決定後に宝くじを購入した場合、当選金を受け取る権利は純粋に「自由財産」となります。
購入の事実を隠していても、免責不適格とはならず、免責が取り消されることもありません。”
その上で、債権者の方々に済まないと思えば、任意で返済すれば良いのです。
1億円も当選したら、数百万の借金なんて余裕で返せますよね。
借金をすべて返し終えて、迷惑をかけた方たちにはお礼をして、その残りで人生をやり直すことができれば、清々しい気分になるでしょう。
とは言え、宝くじ高額当選への道は、遠く険しいですから、そうそう達成できるものでは無いです。
宝くじ高額当選は夢はあるけれど、夢は夢として別枠で考えて、日々できることからコツコツと働いてお金を貯めるのが、一番現実的なのでしないでしょうか。